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DnD3.5eセッション: 於12月8日
 アシタカ氏のDMで『赤い手は滅びのしるし』をプレイしてきました。PCは前回の面子をレベルアップさせてます。

 鬼哭き穴の冒険から数ヶ月。それなりに成長したパーティは、エルシア谷でギルガルの氏族が以前世話になったというハンマーフィスト氏族館を訪れていた。
 族長の話は、最近種族の怨敵であるホブゴブリンの野盗が西のエルシア河を越えて谷を荒らし、氏族の交易商たちが迷惑しているので、様子を探ってきて欲しいという仕事の依頼。様子を見るだけなら簡単だろうということで、エルシア河沿いにあるドレリンの渡しへ向かうことになった。

 町が近づいたあたりで、道を見下ろす茂みを怪しげな人影が動く。無論、こちらも襲撃を警戒して武装は整えてある。
 数回矢を射掛けあううちに、前方から本隊らしき一団がやってきたためギルガルが突撃。左右からの射撃を防ぐためにヴェイルとシャリアが散開したが、これが思わぬ落とし穴になった。次から次へと現れる敵の増援で回復を受けられず疲弊したギルガルが、二刀流のホブゴブリンからクリティカルを受けて死んでしまったのである。
 敵は倒したものの、ギルガルの死体にして呆然とするパーティ。シャリアが捕虜を尋問すると、彼らは“赤い手”なる組織の者らしい。
 敵は野盗などではなく、明らかに訓練された武力と強固な悪意をもって活動している集団という認識を胸に。彼らに襲われた旅人の遺品を預かった一行は沈む夕陽を眺めるのであった。
# by paladin | 2008-02-29 23:59 | DnD
DnD3.5eセッション: 於11月24日(完結篇)
For my grandmother.

 戦場を臨むグリッシュの本陣にイティガサルの座所であるはずの空中神殿が降下し、並み居る幹部と頭目の前に赤竜の骸が曝され、ドルイドが戦の意味が消失したことを説いたのは、カーレリアと牙の団の本隊同士がぶつかり合う乱戦のさなかだった。
 もはや元の次元界への帰還かなわずと悟ったデーモンたちが戦線を離脱している様子を見、グリッシュは口を開いた。
「和議を求めるというか」
「もはやこれ以上の戦いは無意味。“風の王”の落とし仔たる竜が死んだ以上、魂の収穫を行なう必要も無かろう」
「いかにも。だが、カーレリアの連中は我らを只の山賊と見ている」
「不満か」
「不満よ。我らは我らの国としてあの地を切り取った。ゆえに貴様ら。我らと幾度も干戈を交え、我らを一番よく知る貴様らがカーレリアとの間に入れば」
 考えないでもない。オークを率いる王はそう言い、冒険者たちの応えを見ると馬首を反した。

 数ヵ月後、かつて空中神殿の飛行甲板だった建造物で、カーレリア領主アデル、牙の団頭目グリッシュ、そして彼らの間を取り持った四人の裁定者が調印し、休戦協定が結ばれた。
 和約の中には『もし約定が違われた場合、裁定者が全力を以って懲罰する』との文があった。
 空中神殿の心臓部は、ヒデオをはじめとするイリシッドたちの商会、八紘社が買い取りを持ちかけ、ハルアウル改めデュンケリアに運ばれた。カーレリアとの協定で商売ができるようになったものの、大々的に行なうにはまだ地上文明の成熟度が足りないと判断した彼らは、天翔ける船の空中基地として、空中神殿を改装すると意気込んでいる。

 和約が成立した後、イトシスは再び旅に出た。神格を得れば物質界のしがらみに縛られず旅ができると言っていた通り、この若い神は今も宇宙のどこかを放浪し、気が向くままクレリックに呪文を授けたり、取り上げたりしているようである。

 イティガサルを倒すという目的を達したサトリアヌスは、今回の件についてねぎらいの言葉をかけるタルエシードに命のある間はこの地を見守ると誓い、財産を全て寄付して運用をカーレリアの知己に任せると、心落ち着く森へ戻ったという。

 クロウは収入の多くを神殿に寄付して引退すると、客分としてイリシッドたちの故郷である軌道へと昇った。彼らの組織に潜入し、よからぬ動きをせぬよう監視するという目的もあるが、軌道ニンジャとの技比べも彼が大いに心惹かれたところであるという。

 ブレットはカーレリアに残り、弟子を取っているという。ときおり彼の家を訪ねる鋼の鎧に身を包んだ客人が何者なのかを知る者は少ない。その者が主張するところによると、新しい国の誕生、軌道勢力の介入、そして神格の誕生と、この地方の状況は秩序を重んじる陣営として目が離せない状態であり、看視者であるブレットにも仕事が山ほどあるということだが、それはまた別の話である。

空を統べる魔王の落とし仔、四翼の竜に挑むは四人。
ひとりはそのまま天へとのぼり、ひとりは故郷の森へと帰った。
ひとりははてない旅へといでて、ひとりは我等が街へと還った。
かくて往きて還らず旅まだ半ば。焉わり知りたきゃ、足停めよ。
――カーレリア地方の馬子唄

Dungeons and Dragons v.3.5 campaigns 2nd series "Pazuzu's Children" is end.
# by paladin | 2008-02-01 14:04 | DnD
DnD3.5eセッション: 於11月24日(その1)
 ダルカーの本営に入った情報によると牙の団は本隊が関所から進軍を始めたということだった。早速作戦会議が開かれ、カーレリア軍が牙の団本隊をダルカー近くまで引き寄せて戦っている間にパーティが敵陣の後背へと回り込んで空中神殿に陣取るイティガサルを叩き、ポータルの完成阻止を行なうことでまとまる。
 イティガサルの威光で牙の団に加わっている者たちを動揺させてグリッシュに兵を退かせ、カーレリアの兵力が損耗することをできるだけ避けることを計算に入れた作戦である。

 そして二日後、牙の団がカーレリア軍本陣に近づいたところでパーティはトランスポート・ヴィア・プランツで空中神殿の懐に潜り込む。
 予想通り、普段は神殿の護衛についているはずのデーモン軍団も前線に出ているためか、警備の頭数は手薄に見えた。しかし、神殿に向かい今にも飛び立とうとするパーティの前に、“風の王”がかつての戦いで物質界に遣わした最強の使徒、アンズーが立ちふさがる。獅子の頭に鷲の胴体と二対の翼を持つ怪物は、その牙と翼、爪、さらには毒の吐息でパーティを苦しめるが、《攻防一体》で壁になるイトシスの働きもあり、戦いは長引いたものの消耗を抑えてパーティは勝利した。しかし、アンズーが時間を稼いでいる間に発見されたのか、戦闘が終わった頃には近くに牙の団のオークが迫っていた。
 もはや退く余裕は無いと判断したパーティは、上空を往く空中神殿の飛行甲板へディメンジョン・ドアーで跳ぶことを決断。

 飛行甲板の上では、アンズーからのテレパシーを受信した艦長を名乗るオクルスと部下のヴロック2体が艦橋から出てパーティを迎え撃つ準備をしていた。
 この船は死守してみせると艦橋への扉を塞ぐようにして立った艦長は、名前が示す通り体中にある無数の目を開いて光線を放ちながらミラー・イメージで鏡像を投影。ヴロックは狭い甲板の縁に出てきたパーティの動きを塞ぐように一気に間合いを詰める。
 しかし、ヴロックはホーリィ・ワードで片方は故郷に帰され、残った方も悶え苦しみ、その場にいるだけの木偶になってしまう。オクルスは光線で後方からパーティを攻撃するが、余計な消耗を避けるために旋舞を始めたクロウと剣での撃ち合いになる。もはや負けを悟っていたのか、数合のやり取りを行なった後に艦長は意味ありげに嗤って倒れた。
 床一面に“風の王”の紋章が描かれた艦橋に潜入すると、奥にはイティガサルの座所へ続くらしい大扉がひとつ。ドラゴンの胆汁が仕込まれていた罠を避けてクロウが開くと、目の前に広がるのは空。甲板とイティガサルの座所との連携が解除され、神殿の心臓部は天高く上昇を始めていた。
 2倍近い巡航速度を持つ心臓部に甲板が追いつくことは不可能であるため、パーティは後で回収するために甲板を適当な山へ突っ込ませると、考えうる限りの防御呪文を発動させてディメンジョン・ドアーでイティガサルの間へと跳んだ。

 ついに訪れた“風の王”の神殿、心臓部では膨大な財宝の中にイティガサルが身を横たえていた。冒険者たちを認めた四翼の赤竜は大儀そうにその体をもたげ、言葉をつむぐ。
「妾と汝らの間にもはや言葉は無用。来い、小さきものよ」
 それが合図となってクロウが跳ぶが、ドラゴンの知覚に阻まれて決定的な打撃は与えられない。イティガサルは飛び上ると分散したパーティを忌々しそうに睨み、「枯れよ」と念じてホリッド・ウィルティングを発動。さらにベルト・オヴ・バトルの追加行動を使いデストラクションを発動させてブレットを殺そうとするものの、セーヴされてダメージを与えるにとどまる。
 攻撃を受けながらもブレットはポリモルフでサン・ジャイアントに変身。イトシスは位置取りを行ないながらキュアを発動し、サトリアヌスはコール・ライトニング・ストームでイティガサルに雷を落とした。イティガサルはサン・ジャイアントを警戒して組み付こうとするが失敗し、逆にメルフス・ユニコーン・アローで叩き落され、組み付かれてしまう。
 全ての準備が整ったところにフライを受けたクロウが飛び込み、二刀から7回の攻撃を叩き込む。イティガサルは身をよじらせて抵抗するが、組みつきを振りほどくことができず、さらに次のラウンドでまた7回の攻撃を受ける。
 その瞬間、イティガサルの体から目も眩むような暗黒が放たれて生命力が蘇るが、殺しきれないなら死ぬまで殺すだけのこととベルト・オヴ・バトルを発動させた追加行動で再び旋舞を叩き込むと、イティガサルは今度こそサン・ジャイアントの腕の中で力を失っていった。

 しかし、イティガサルは自らの死をもってスカイ・ディガーを完成させるかもしれないのでとどめは刺さず、巨人が拘束したままクロウが目的のものを探す。
 財宝の山に隠されていたアーティファクトに未完成のうちなら効くとされているロッド・オヴ・キャンセレーションを当て、中に込められていた魂を解放すると共に無力化を行なう。しかし、パーティはこれだけで終わりではないということを知っていた。スカイ・ディガーの中には“風の王”が自らの権能を込めており、それを失わせない限り、贄さえあれば何度でも復活するのである。
 しばし逡巡した後、イトシスとクロウが権能を喰らって神格となることを決意し、魂と世界の運行とを結びつけた。
 そして、イティガサルにとどめの一撃が振るわれる。数百年を生きた竜は死に際の呪いで散々苦しめられたブレットを道連れにしようとするが、抵抗されてしまい孤独な死を迎えた。

 全てが終わり、静寂が支配する広間。クロウが眼下に広がる雲海と大地を眺めて呟く。
「さあ、帰ろう。地上へ」
# by paladin | 2008-02-01 13:08 | DnD
プレイヤーズ・ハンドブック2ウェブ・エンハンスメント『魔法のアイテム:消費経験点を譲渡する』
 以前から気になっていた米公式サイトPHB II Web Enhancement: Part 1 Magic Items: Transferring XP Costs魔法のアイテム:消費経験点を譲渡するとして訳してみました。

 ウェブ記事は筆者の味が強く出ているものが多いと思います。内容についてはあまり語りたくありません。
# by paladin | 2008-01-17 18:21 | DnD
DnD3.5eセッション: 於9月15日
 哀れなハーフ・ストーン・ゴーレムを倒した一行は、三叉路になっていた部屋の東側がアイアン・ゴーレムを配備した宝物庫だということを確認すると、“風の王”の像が飾られた扉を開けようとする。クロウが2体の像の間に入ろうとしたところで像の剣が振るわれるが危なげなく解除し、扉を開ける。
 途中に部屋があるが、そこはがらくたや礼拝の道具を片付けている倉庫だったらしく、探索は後回しで奥へ進むパーティ。すると、足元から呪文が発動して強化呪文を打ち消されてしまう。
 調べたところ、通路の奥に設置されたアーケイン・サイトの装置に連動してグレーター・ディスペル・マジックが発動しているようなので、ブレットがグローブ・オブ・インヴァルナラビリティでアーケイン・サイトの知覚を誤魔化して通路を進み、2度目以降のディスペルを防ぐ。
 そうしてたどり着いた最深の扉には、“風の王”の嘴と鉤爪を象った浮き彫り。ここが奥の院だと踏んだパーティは、扉を蹴り開けた。

 扉が開くなりブレットは《即時呪文威力最大化》したブラスト・オヴ・フレイムで4人のオークを焼き払い、クロウの突入路を確保。障害物が無くなったと巨大な“風の王”の浮き彫りが飾られ、幹部3人が待つ一段高くなった祭壇の上へ飛び込むクロウだが、見えない存在によって行く手をさえぎられる。そして、そこにデーモンと大司祭の呪文が飛んでくるが、致命傷には至らない。
 見えない障害物はカラー・スプレーによってインヴィジブル・ストーカーと判明。サトリアヌスもセレスチャル・オクトパスに化身してバイト・オヴ・ワーボアで壇上の3人と護衛の2体をその間合いで制圧。クロウの旋舞が決まり、ヒールをデーモンに飛ばした大司祭がまず倒れることになる。しかし、彼は死に際に何故か笑いながら倒れ、骸となるべき肉体は塵となった霧散した。
 何か不吉なものを感じたパーティだが、敵の猛攻も止まらない。サイオニック・フライで空中に浮きながら1ラウンドに4回行動を行なうテツヲが「組織に使い潰されるくらいなら、地上に這いつくばろうと上に立とうと考えることのどこが悪い」と人生の懊悩をぶちまけたマインド・ブラストを放ち、皮肉にも秩序属性のクロウが無力化され、そこにデーモンがイトシスとサトリアヌスの攻撃を受けて倒れながらも力術を連射して、クロウを狙う。しかし、ブレットがレッサー・グローブ・オブ・インヴァルナラビリティを解除してキュアのワンドを振ってクロウの命は繋がれた。
 テツヲは生き残ったインヴィジブル・ストーカーの影に隠れながらマインド・スラストやマインド・ブラストを連射するものの決定打は出せず、サトリアヌスからインヴィジブル・ストーカーを倒されるに至って降伏。改心し、知っている情報は全て話すから命だけは許してくれとその場にくずおれた。

 クロウから秩序の者なら仲間を信じろと説教をされながらテツヲが話すところによると、彼ら“八紘社”と自称する軌道のイリシッドたちは多次元宇宙を又にかけた商人で、支配は目的でなく、今回もグリッシュが渇望していた銃砲類とその扱い方を高値で売りつけることが目的だったらしい。
 しかし、グリッシュの野心はそこに収まらず、イリシッドたちが地上文明にまだ持ち込むべきではないとした禁忌の道具を求め、テツヲを抱き込んで地上に降ろさせた。
 そしてグリッシュはテツヲに多額の賄賂と再就職先を用意し、“咆哮する牙の剣”、“巨人の力を降ろす鎧”などそれら禁忌の道具を手に入れ、テツヲのことを上層部に報告しようとした上司を消した。というのが黝いシチューの真相だった。

 奥の院と隣接していたグリッシュの部屋などを捜索した一行は、イティガサルが住む神殿は浮き彫りで隠された扉の奥にある火山湖だとサトリアヌスにアトーンメントをかけられたテツヲから聞いて扉を開け、外へと出た。
 果たして、切り立った断崖の底部に穿たれた洞窟へと続く扉からイトシスとクロウが湖に出て探索をするが、そこには朽ちかけた桟橋や飛び石で中心の方向へと続く路がある。しかし、その先には湖が広がるのみで神殿は無く、水中にもそれらしい影はない。
 誰からともなく、かつて“風の王”が物質界を攻めた時、その神殿は天を駆けていたという話を思い出し、一旦地上へ戻ろうということになる。

 もちろん、その前に1日休んでアイアン・ゴーレムを倒して財宝を回収し、テツヲから暗殺されたイリシッドの上司が残した日誌を確認し、オークとテツヲたちに因果を含めるという作業も忘れずに行なわれた。

 その後、サトリアヌスのトランスポート・ヴィア・プランツでカーレリアの評議会に戻ると、そこはさながら戦場の様相を呈していた。
 怒号と紙片が乱れ飛ぶただ中にいるのは、アルドミル評議長だった。騎士団もダルカーに向かったため、後方の情報処理を一手に任され、最低限のトランスだけで乗り切っているらしい。目の下にクマを作っている彼に、イトシスがパナシーアをかけて話を聞くところによると、ゲオルグ総督ともども話があると言われ、人払いをされる。
 大きな箱を抱えてきた総督曰く、先日彼のもとを訪れたドラウが、牙の団が占拠している関所に空飛ぶ建造物が出現し、オークたちも戦支度に追われているとのこと。パーティの報告とつき合わせて考えるに、恐らくはイティガサル自らが出馬してカーレリアと決戦を行なうつもりであると考えられる。
 パーティに依頼される仕事は、できるだけ早期にイティガサルを倒す、ないしは彼女が持っているアーティファクト、スカイ・ディガーの無力化である。報酬は総督が持ってきた10000gp相当のプラチナの地金をひとり1本、そして、イティガサルの宝物である。
# by paladin | 2007-12-21 01:22 | DnD